ふたたび、「エッジ」を読む。:概要

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2008年5月8日(木)16:30〜20:00

第3回目の「キャンプ」は、小林ビル(ブックカフェ)に集合ののち、スタートしました。

概要

  • 参加者:学部生(17名)大学院生・研究員(3名)・教員(1名)
  • 場所:小林ビル(ブックカフェ)を中心に500メートル圏内

CIMG0151.JPGあれから、少し掃除したので、だいぶ快適な空間になりました。5月になったので、グループを組み替えました。今回の「キャンプ」の目的はいくつかあります。まずは、5月17日 (土)〜18日 (日) にかけて予定されている「宇宿(うすき)フィールドワーク(鹿児島)」のウォーミングアップとして位置づけることができます。ここで言うウォーミングアップは、下記をふくんでいます。
(1) グループワークが円滑にすすむようにうち解ける・チームワークを醸成する (2) メンバーの技能を見極める・グループでのじぶんの「立ち位置」を自覚する (3) 宇宿でおこなう予定の活動を事前に体感しておく(プレビュー) (4) 技術的な可能性や限界について確認する(1週間後に向けて改善案・課題を抽出する)

さらに、先学期の研究会のテーマを、べつのフィールドで、再度考えてみるための演習です。都市空間のフィールドワークをおこない、社会的に共有されたイメージを理解する上で、ケヴィン・リンチが提案する「概念」は有用です。先学期は、リンチが挙げる5つのエレメントのなかで、とくに「エッジ」に着目してフィールドワークをすすめました。先学期考えた(はずの)「概念」を、もう一度フィールドワークのなかで考えることによって、より深い理解、すなわち「活きる知識」に転化することを目指します。つまり、フィールドが変わっても、目の前にある事物・事象を「エッジ」に見立てて発想し、アイデアを整理できるかどうかを体験的に考えるということです。

具体的には、以下のような課題で、グループワークをすすめました。(当日配布した資料より抜粋)

【課題】
(以下では、総合政策・環境情報学部に所属する学生の「目線」を想定しています。)
「キャンパス」にいると、小林ビルは、「遠いな…」と感じます。かつては、バスは上まで乗り入れていなかったのですから、学生たちはあの坂を歩きながら、「キャンパス」での一日に向けて「準備(気分の切り替えなど)」をしていたはずです。おそらく、そのような時間は、ぼくたちにとっては、とても大切なのです。帰り道も同様、一日の出来事をふり返りつつ、坂を降りることで、日常生活のリズムを刻むことができます。たまには、意外な発見もあるでしょう。おそらく500メートルにも満たない距離なのに、小林ビルは「遠い…」というイメージがある以上、よほどの「場のチカラ(磁力・吸引力)」がなければ、ひとを動かすことはできません。

さらに、(総合政策・環境情報学部に所属していると)看護医療学部やインキュベーションビレッジといった場所は、ほとんど「未知の世界」「異界」です。キャンパスの前の道は、橋のない川のように、越えがたい距離感をつくりだしているように思えます。すぐそこなのに、これって、不思議です。明らかに、ぼくたちは「エッジ」を認識しています。
いっぽう、小林ビルで、掃除などしていると、看護医療学部の学生たちが前を通ります。自転車置き場があるから…という必然性はあるものの、彼女ら、彼らは、毎日のように川を越えているのです。でも、ぼくは、じつは2度くらいしか「向こう側」に行ったことがありません。これも、ふと考えてみると不思議なことです。行く必要がないから…では、「よそ者」のスピリット、「キャンプ」の思想に反します。小林ビルから、さらに向こうへ500メートル。一度くらいは、歩いてみる必要があります。

 そこで、きょうの「キャンプ」では、みんなでこの「エッジ」の正体について考えてみてください。結果として、「わざわざ越える必要はないよ」ということでもかまいません。「向こう側」を、それぞれの目線で観察してください。じつは、「向こう側」から見れば、ぼくたちこそが「向こう側」なのだということも考えてみましょう。すべて、まかせます。看護医療学部にかぎらず、小林ビルをとりまく半径500メートルほどの「未知の世界」「異界」を冒険して、問題提起をしてください。

【まとめかた】
上記のもろもろをふまえて、30秒のビデオを作成してください。ビデオには、その内容にふさわしいと思われるタイトルを、かならず考えてください。
編集には手間ヒマがかかるので、「リニア編集」です。つまり、ポーズボタンを多用するとか、長回しで撮るとか、方法やテクニックは任せます(※宇宿フィールドワークでも、同様の方法でビデオを作成することになります)。いずれにせよ、何を「問題」としてとらえ、どのように語るかという「ストーリー」がないと、うまく完成しないでしょう。現場で考えながら撮るのもいいし、ロケハンをしてから絵コンテをつくってもかまいません。

【発表】
きょうの最後(19:00ごろ〜)に、小林ビルで上映会をおこないます。ビデオカメラをプロジェクタにつないで投影するので、頭出しをしておいてください。また、きょうの作品は記録として残したいので、あとでビデオテープを回収します。

※いつものように、だいたい180分程度の活動として考えています。後半30分を上映会に充てるとすると、19:00前には完成させる必要があります。各グループで計画的にすすめてください。

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03:ふたたび、「エッジ」を読む。
2008年5月8日(木)

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