About

カーテンの隙間に朝日が射し込み、
コーヒーの香りで一日を迎えたのは何度目でしょうか。
顔をくしゃくしゃにして笑い合った日も、肩を寄せ合い涙流した日も、
なにごともなく終えた日も、
私たちは暮らしの中で様々な物事に思いを抱き、それらを記憶の中へと誘います。

この十年間一つ一つ丁寧に、じっと見つめ、時には勇気をもって土を掘り起こし、芽が出るのを信じて愛情を注いできました。
しかし、どんなに夢中になって作り上げたものも、奮い立たせた決心も、時を経れば薄れゆくと言います。

「じぇじぇじぇ」と「じゅじゅじゅ」。
流行が次々と進化を遂げると共に、
私達のフィールドワークも変化して参りました。
展示ではあなたの歩みと共にその変化をお愉しみいただけたらと思います。

一つの節目を迎えた現在が、来年には懐かしむ「過去」となるように、
この展示会がみなさんの身体にじっくりと沁みわたり、
いつの日か「きょう」を振り返ることを期待して。


[タイトル] 慶應義塾大学環境情報学部加藤文俊研究室
フィールドワーク展X じゅじゅじゅ
[日時] 2014年2月1日(土)〜4日(火) 11:00 〜 18:00 (最終日のみ〜15:00)
[会場] YCC・ヨコハマ創造都市センター(神奈川県横浜市中区本町6-50-1)
[同時開催] 第8回加藤文俊研究室OB展

Message

2004年の秋は、毎週、みんなで野毛の界隈を歩いた。あれから、すでに10年。ふたたび、この界隈に戻って来た。
あっという間だったようにも思えるが、あらためてふり返ってみると、いろいろなことがあった。写真、冊子、ポスター、ビデオなど。続けていたら、ちょっとは自慢できそうな分量になった。もちろん、たくさんの人にも出会った。10年という節目なので、整理整頓をしながら、ぼくたちの「フィールドワーク展」について考えてみることにした。
時間を経ることで、はじめて気づくことがある。時間が経たないと、その経験はできない。某先生は「続けるコツは、止めないことだ」と言った。たしかにそうだ。つぎの節目まで、止めないことにしよう。

加藤文俊

Main Contents

ライン

青山 大毅

銀座の日常

大川 朝子

Every Woman's Clothes
in Azamino Sakuranamiki

笹野 結衣

ライン

青山 大毅

わたしは、三宅島でひとりの少年と友だちになりました。島のことをはじめ、魚や天気のことなど、たくさんのことを彼は話してくれます。一緒に過ごした時間をいつでも思い出せるように、彼とわたしをつなぐモノになるように、この映像作品をつくりました。彼に贈る、彼とわたしのドキュメンタリーです。

銀座の日常

大川 朝子

私たちの周りには、そこにあるはずなのに気づかずに通り過ぎてしまっているものが沢山あるように思います。私は銀座のまちを舞台に、そこで働く人々の視線を体感してもらうことで、いつもなら見逃してしまっているかもしれない銀座の日常を覗いてもらえるような仕掛けを考えました。

Every Woman's Clothes in Azamino Sakuranamiki

笹野 結衣

あざみ野の桜並木を歩く女性たちを六ヶ月間、毎日一時間スケッチしました。彼女たちは日々どんな服を身に纏い、生活しているのでしょうか。
大好きなあざみ野のまちの人たちのことを知りたい気持ちからはじまったフィールドワークです。

ぎんざ風俗採集

神通 絵里花

しぐさをほどくと

竹下 絢

路上の芸事

長竹 慶祥

ぎんざ風俗採集

神通 絵里花

ひとに焦点をあてたフィールドワークを通し、ひとからみるそのまち〈銀座〉らしさを考えます。銀座を行き交う女性を対象とし、観察を重ね個性を抽出し、スケッチにおこして記録に残していきます。考現学という手法を参考に、いまだから、このまちだから感じることを、丁寧に描きます。

しぐさをほどくと

竹下絢

「わたしって、こんな風に話してるんだ。」
取材させて頂いた女将さんのこの言葉から、この研究がはじまりました。
些細なしぐさの連続を「見られる」ことで、そのひとらしさは作られていると感じます。
1日の中でも、会話の場面によって変わるしぐさ。そのひとつひとつをほどいて文字にしてみると、普段見られている「わたしらしさ」がみえてきました。

路上の芸事

長竹 慶祥

主に喋りながら芸を行う大道芸人に着目し、
彼らがどのように「道」を「場」に変え、人の流れを生み、
そして自身が生活していくための投げ銭を集めているのか、
その工夫や暗黙知をフィールドワークによる観察とインタビューから紐解いていく。

紡ぎ続けた物語

長冨 将成

来しかた ゆく末

廣野 吉隆

見えない境が見えた時

吉田 あんな

紡ぎ続けた物語

長冨 将成

私が研究会活動において最も多く活動してきた東京都三宅村、海に囲まれたその島で私は今も昔も島民の生活を支えている漁師の方々にインタビューを行った。
様々な困難や苦労に直面しても、強くたくましく生きてきた男たち。
たった一つの島で、たった一つの人生を歩んできた男たちの生きざまをご覧あれ。

来しかた ゆく末

廣野 吉隆

僕は加藤文俊研究室に所属してから、沢山の人びとに出会い、沢山のことを学んできました。ひとの数だけ物語があることを知って、その物語とまちは密接に関わっていて、まちのなかで人びとの暮らしがあるということ。岩手県釜石市に着目しながら、僕たちの過去と未来を僕たちの成果として綴ってみました。

見えない境が見えた時

吉田 あんな

家を出て、電車に乗り、会社へ向かい、帰宅する。
私たちが生活する中でどれだけの〝見知らぬひと〟とすれ違っているのだろう。
時に誰かを傷つけているかもしれない。
何気ない動作がマナー違反かもしれない。
無意識のようで行動判断となる〝属性〟に注目し、実験を通してさまざまな視点を描いていく。

まちへの記憶

和田 勇人

粗悪なもの

郡司 斐

編集者の実践知

尾内 志帆

まちへの記憶

和田 勇人

通い慣れた道、馴れ親しんだ場所、自分にとって特別と呼べる場所は強く記憶に残る。
この場所のこの風景が忘れられないという経験があるはずです。
自分の足でそのまちを歩くときどういったところに目を向けるのか。どういったものに記憶は刺激されるのか。
一年間歩き回った記録をご覧ください。

粗悪なもの

郡司 斐

私たちがふだんの生活の中で関わるさまざまな場所やメディアには、派手で騒々しい見た目のものが数多く存在しています。人の生活風景を乱すものとして批判されることも多いそんな「粗悪なもの」を、私たちと日常生活のあいだの新しい関わり方を生み出すものとして研究しています。

編集者の実践知

尾内志帆

編集者の仕事といえば、どのようなものを思い浮かべるでしょうか?私は、情報をわかりやすく伝えることだけではなく、著者や読者といった媒体を介した人とのつながりをつくる仕事だと考えています。そこで、編集者としての経験をふりかえり、これまでのSNSの利用の中に自らの実践知を見いだす研究をしました。

パッケージ

加藤 文俊

もう、逃れることはできない。きょうも、ぼくたちの知らないところで生み出され、毎日の暮らしに侵食している。その繁殖力は、はかりしれない。「おかんアート」は、もうひとつの〈ものづくり〉だ。ふとしたきっかけで、つくりはじめたら、止まらなくなった。ゴミ箱に行かずに、卓上やカバンのなかへ。

引っ越しの準備

2、3年生

学びの場。それは大学の教室とは限らない。机があれば、砂浜でもいい。パソコンがあれば、飲食店でもいい。なにもなくても、電車の中でだって、民家でだって、学びの場へと変化させられる。
当たり前になって不便とも快適とも思わない。そんな場所から抜け出そう。
私たちの場、考える。

「ハハハ」

OB展

今年でフィールドワーク展は10回目を迎えます。 この10年でわたしたちは学生から社会人になり、 家庭を持ち、また最近では父や母になるメンバーも増えてきました。 10年前と今では、取り巻く状況も自分自身も大きく変わりました。
それでも、こうして1年に1度みんなで集まることで、わたしたちは変わらない何かがあること、 そして、加藤研がわたしたちにとって、ひとつの「地元」だということを思い知らされるのです。
フィールドワーク展は記念すべき10回目ですが、OB展はまだ8回目です。 2年後の10回目を目指して、これからも走り続けるために、このあたりで一度原点に立ち返りと思いました。
だから、今年は誰の心にもある「地元」を思い出させてくれるような、そして、ハハハと笑えるような展示にしたいと思います。
>> http://vanob.net/fw2014/

パッケージ

加藤 文俊

引っ越しの準備

2, 3年生

「ハハハ」

OB展

Access


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YCC・ヨコハマ創造都市センター(神奈川県横浜市中区本町6-50-1)

Tel:090-8012-5870
Mail:fw1010[at]vanotica.net

みなとみらい線「馬車道駅」
1b出口[野毛・桜木町口(アイランドタワー連絡口)]
JR・市営地下鉄「桜木町駅」徒歩5分
JR・市営地下鉄「関内駅」徒歩7分
※ 当施設には駐車場はございません。近隣の有料駐車場をご利用下さい。