About

私たちがつねに大切にしてきたことは、
日常をつぶさに観察し、ていねいに記録すること。
じっくりと、そして深い愛情をもって。

出会い、別れる。訪れては、去る。
活動を続けていく中で、
もう一度会いたいと思うひとと出会い、
また訪れたいと思うまちを知り、
一生忘れられない時間を過ごしました。
ひと、まち、そして記憶。
そのひとつひとつが、
愛おしくてたまりません。

今年で11回目の開催となるフィールドワーク展には、

そんな私たちの想いをつめ込みました。
この想いを育ててくれたすべてに、
心からの感謝を込めて。


概要 慶應義塾大学環境情報学部 加藤文俊研究室
フィールドワーク展XI 両想い
日時 2015年2月6日(金)〜9日(月)
時間 11:00〜18:00(最終日は15:00まで)
会場 Bankart Studio NYK 2Bギャラリー
(神奈川県横浜市中区海岸通3-9)
同時開催 加藤文俊研究室OB展

Message

記念すべき10回目の「フィールドワーク展」は、いつもより広い会場を借りて開催した。大きな壁、高い天井。みんなで贅沢な気分を味わってしまったので、もう戻れなくなった。だから、今回の会場もずいぶん立派だ。
でも、ぼくたちはわかっている。大切なのは、フィールドワークの成果をきちんとまとめて、丁寧に見せることだ。たくさんの人を呼んで、ゆっくりと見てもらおう。できるだけ、いろいろな話をしよう。再会の場面をいつくしもう。あたらしい出会いに期待しよう。
会場を息づかせるのは、「両想い」のパワーだ。白い壁を生き生きとさせるのは、ひとつ一つのフィールドワークの「ものがたり」なのだ。

加藤文俊


Contents

駅の記号

伊藤 圭

1000人大舞踏会in氷見

〜ダンススポーツで出会った夫婦のものがたり〜

香川 早苗

日常の再会

桑原 維子

路上の生きモノ

田中 優里

フィールドワークの足跡

深澤 匠

シーソーレター

山口 祐加

ともに走るということ

徳山 夏生

アーティストの眼差し

Joyce Lam

渋谷をはかる

2.3年生

団地の暮らし

2.3年生

駅の記号

伊藤 圭

その日の宿題のことや、明日のデートのこと、あるいは遠い未来のことを考えたりしながら、今日もわたしたちは駅を歩いている。お気に入りの音楽をイヤフォンから流すものなら、乗り換えは瞬く間に終わっていて、気がつけば次の電車でつり革をつかんで立っていた、そんな経験をしたことのある人も多いのではないだろうか。
日々の生活の中で、多くの人々が無意識で行なっている駅での振る舞い。それを支えているのは、駅とわたしたちの間にある手作りのコミュニケーションでした。

1000人大舞踏会in氷見

〜ダンススポーツで出会った夫婦のものがたり〜

香川 早苗

人々が集まり、交流し、元気になる場所とはどんなところでしょうか。
加藤研の活動で富山県氷見市を訪れた私は氷見で毎年開かれている「1000人大舞踏会in氷見」というダンススポーツのイベントと出会いました。
このイベントには、仲の良い素敵な夫婦が何組も関わっています。
そんな素敵な夫婦とお話をし、お二人の「ものがたり」を作ることで、ダンススポーツによって氷見という場所に人が集まり、交流し、元気になっている様子を伝える研究にしたいと思っています。

日常の再会

桑原 維子

毎日を一緒に過ごす家族、くだらないことで笑い合う親友、ふと会いたくなるひとびと。今までたくさんのひとに 支えられてここまできました。
私はそんな自分にとって大切な存在である15人に会いに行き、彼らの魅力をもう一度見つめなおすことにしまし た。お互いが相手に見せる表情を写真に収め、手作りの冊子を届けに行きます。感謝の気持ちを込めて、大切なひとの魅力を丁寧に、形に。
私と大切なひとが魅せる、15通りの表情がここにあります。

路上の生きモノ

田中 優里

いつもと変わらない路上の景色のなかに、人びとの暮らしの気配を感じる。路上を見渡してみると、そこには誰かさんが手を加えたモノがあふれていた。人びとが、自らの生活をよりよくするために命を吹き込んだそれらを、わたしは「生きモノ」と名づけた。
生きモノたちは、人びとの生活の変化に合わせて姿を変えていく。担っている仕事の内容も、その出来具合もさまざまだ。
東京都葛飾区柴又で出会った、個性豊かで魅力的な生きモノたちを紹介します。

フィールドワークの足跡

深澤 匠

加藤研では、地域に住む人びとの魅力を表す「ポスター」というメディアを制作するフィールドワークを約2ヶ月に1回行っています。この「ポスター」制作は2009年の家島フィールドワークから始まりました。
しかし今までの5年間、「ポスター」を作ったまちへもう一度訪れることはほとんどなく、まちの人びとにとって加藤研の活動はどのような意味があったのかを知ることが出来ずにいました。そこで僕は自分たちの活動を振り返るため、過去のフィールドワーク先へ足を運び、加藤研が関わった人びとに会いに行くことを決意しました。

シーソーレター

山口 祐加

今年の春から半年間をかけて、私の人生に欠かせない大切な20人と会い、食事を共にし、感じたことをエッセイに書き残してきました。エッセイは私の記録だけでなく大切な20人全員のもとへ送り、そして返事を書いてもらいました。少し不思議な文通は「シーソーレター」と名付けました。
“大切な人とはなんだろう”と考えた半年間の時間を、私が直接いらした方々にお話します。人と会って食事を共にする。それだけの時間が、とても愛おしく思えてきたのです。

ともに走るということ

徳山 夏生

わたしは、作品がどのように成り立っているのかを明らかにすることを目的として、作者と作品のつながりについて研究しています。
3ヶ月に渡って一人の美大生の制作を追い続けると、次第に美大生の彼女の創作活動には、調査者であるわたしの存在が大きく関与していることを認識するようになりました。人びとの生活の場を調査するとき、関係の変化は良くも悪くも互いの生活に影響を与えます。この作品は、1人の調査者の視点から描く、調査する者、される者の関係性のドキュメンタリーです。

アーティストのまなざし

Joyce Lam

日本で地域とアートを結びつけて地域を活性化しようとする芸術祭が溢れています。このような芸術祭において、地域に根ざした作品を制作するアーティストは、いったい何を考え、何を目指して制作しているのでしょうか。ひとつの地域に限らず、まるで旅をしているように様々なプロジェクトに作品を出しているアーティストが新しい土地を訪ねるときにどのようなまなざしを持っているでしょうか。
アーティストが作品を制作する過程で、どのように地域の人と信頼関係を築き、地域を知り、地域への愛着が生まれるのかを明らかにする研究です。

渋谷をはかる

2.3年生

ある場所を訪れるとき、私たちは無意識に、既存のものさしでものごとをはかっています。しかし、それらにとらわれず、全く新しいものさしを持って出かけてみると、まちの見え方が変わってくることに気付きます。そこで私たちは、馴染みのある既存のものさしから一歩外れて、渋谷というまちをフィールドに、オリジナルのものさしをつくろうと試みました。今までと少し違って見える景色は、また新しい楽しさを与えてくれます。

団地の暮らし

2.3年生

一口に団地と言っても、そのイメージは人によって様々です。あまり良い印象を持たない人から、新たな価値を見出す人まで。では、そんな団地の実態は、一体どのようなものなのでしょうか。
私たちは、洋光台の団地に住む人々に注目し、深く知ろうと考えました。彼らの溜まり場やお店に赴き、付き合いを深めていく中で、私たちと似ているようで違い、違うようで似ている生活の工夫や知恵が見えてくるようです。

「めおと」

OB展

両想いだった恋人同士は、月日を重ね、いずれ夫婦になります。
だから、「めおと展」。
夫婦のように末長く、まちとのあたたかな関係が続くことを願って!
私たちは今日も目を使って音を聞き、まちを歩きます。

And more...

vanotica

この他にも、今年度の加藤研の「キャンプ」で制作したメディアなど、様々な展示物がございます。会場で皆様をお待ちしております。

「めおと」

OB展

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vanotica


Access

Bankart Studio NYK 2Bギャラリー
(神奈川横浜市中区海岸通3-9)
横浜みなとみらい線「馬車道駅」6出口[万国橋口] 徒歩4分
JR・市営地下鉄「桜木町駅」徒歩10分

展示会のお問い合わせはこちらまで

tel:080-1334-2890
mail:fw1011[at]vanotica.net