旅からはじまる

金 美莉・高橋 茉鈴・Nuey Pitcha Suphantarida・比留川 路乃

何も考えていないとき、言葉がいらないとき、新しい発見をしたとき。すべては「旅行」や「旅」のなかで体験できる瞬間だ。旅の途中、究極のひとときは一瞬または何度も断続的におとずれるかもしれない。しかし、疲れが溜まり、リラックスしたい瞬間もある。一番大切なのは、一緒に旅をする人との体験を共有することだ。
そもそも「旅行」や「旅」の定義は人によって違う。なぜその場所は「観光地」として一般的に知られているのか、何が日常と違うのか、いつ究極のひとときを体験できるのか。旅をする相手や場所の特徴によって状況は異なる。
 
まずは、浅草で観光地と日常の境界について探るためにフィールドワークを行なった。ランドマークの雷門、お店が並ぶメインストリートなど、各スポットで観光客たちの行為を観察した。明らかに、写真撮影や食べ歩きをしている人たちはいる。一方で、ぼーっと立っている人、周りを気にせずスマホを見ている人も多い。これらは、よそ者たちが自分の居場所を見つけるための行為だと考えられる。非日常的な場所にいるからこそ、観光地では観光客としての振る舞いが求められる。そのような窮屈な空間では、理想な究極のひとときを体験することができないかもしれない。
 
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