ぎこちなさでふっとばす

塙 佳憲・保浦 眞莉子・吉澤 茉里奈

素敵なひとときを考える。私たちは、手がかりを探すために、メンバーそれぞれが素敵なひとときを過ごせる、とっておきの場所を巡るフィールドワークをしていた。そこから分かったことは、三人それぞれの考える素敵なひとときには、思い出が関係しているということだ。七里ヶ浜海岸は、地元の函館に海岸線が似ているからとっておきの場所だと、マリコは言う。その場を共有し、心地いい場所に「連れてって」もらっていることは間違いないが、マリコと一緒にそこに行っても、他のメンバーが過ごす素敵なひとときとは少し異なる。
 
三人のとっておきの場所に行くことで気づいたのは、その場所に「誰を」連れて行くかが大切であるということだ。素敵なひとときを作り出す要素は、誰と過ごすかによって全て変わってくる。極論、何もない場所でも、一緒にいて居心地の良い人となら、素敵なひとときを過ごすことができるだろう。そんななか、私たちはフィールドワークの中にもでてきた、「家族」というものに注目した。ただ、家族とならどんな場所で何をしても素敵なひとときを過ごすことができるのではないか。それなら、今回はわざわざ家族をターゲットにしなくても良いのではないか。そう考えていた矢先、「私、実はお父さんとそこまでいい関係ではないのかも・・・。」とまりなが言った。以来、私たちのグループでは家族との「ぎこちない」関係というものについて取り組んできた。
 
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