『XXの社会学』を考える

Sociological Books of Every Damned Things

 

アドトラックの社会学

河井 彩花
 
公道を走るアドトラック。それに出会った時、大きな音と派手な外観に嫌悪感を抱く人、心を奪われる人、ノイズキャンセリングイヤホンとスマホのおかげで何も感じない人、あなたはどのような反応を示すだろうか。アドトラックが公道を走行する以上、それは社会的な存在であり続ける。しかしそれらは同時に、日常からの脱出を試みるために視聴されるドラマや映画のようなパフォーマンスだ。
それらは適切に視聴者を制限するべきなのだろうか、それともテレビコマーシャルのように広く大衆の頭に植え付けるべきなのだろうか。アドトラックはどのように公道上でふるまい、人々との境界線を調整していくべきなのだろうか。アドトラックを通して空間上での関係性の構築プロセスについて考察を加える。