『XXの社会学』を考える

Sociological Books of Every Damned Things

 

霊の社会学

金井 ゆりあ
 
目に見えない、形のない、非科学的な霊。それを信じるか否かは、過去の経験、仲間の様子、雰囲気などに影響される。霊をどう捉えるかも人によって異なる。怖がる人もいれば、死者が形を変えたものだとし好意を持つ人もいる。また霊を信じる人が多いことにより神社や葬儀業者など心理的影響を商品とする集団も存在する。マクロな視点で考えると、例えば日本には霊を祀るお盆という連続休暇があり多くの人が帰省で移動をするし、メキシコでは死者の日という祭りで霊を歓迎し人々が集まって思いを馳せる。このように霊は様々な解釈をされ様々な意味を作りながら人を心理的にも物理的にも動かす、シンボリック相互作用として考えることができる。