工夫と修繕 ::: よろずばん

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桑原維子・竹下絢・長冨将成

銀座、ローラー作戦

03.jpg【よろずばん】東京都中央区銀座6丁目 ※クリックすると拡大表示されます。今回私達は、「工夫と修繕」を集めに銀座でフィールドワークを行った。銀座というまちについては、華やかさや都会的で洗練されているというイメージが思い浮かんだ。そこに人の暮らしを感じられるものがあるのか、全くイメージがわかなかった。そのためまずは、とにかく全ての範囲を歩いてみようと、「ローラー作戦」を考えた。銀座のまちを四分割して、一つ一つの路地の道全てを歩いていくことにした。

歩きながら改めてまちを観察してみると、高級ブランド店が並ぶ大通りとは対照的に、路地裏では人々の生活を感じることができた。細い通りに入ると、店と店の間のスペースにはモップ、たわし等の清掃用具が所狭しと並べらていた。限られた路地裏のスペースを最大限に利用するための工夫だ。時間帯による違いも観察をするため、夜の銀座を訪れた。昼間シャッターが下りていて、夜になると店が開き、多くの人が集まっていた。昼と夜のまちの違いに面白さを感じ、その違いを集めてみることにした。

しかし、全範囲をくまなく歩き終わり、私達は行き詰ってしまった。昼と夜の違いがわかりやすい照明や看板などの工夫を八十個集めていたが、それらはどこにでもある物件ばかりで工夫と修繕と呼べないのではないのか。私達は全ての範囲をまわり終えたが、いつのまにか物件の数を集めることばかりに必死になっていて、当初の目的である人の暮らし、生活を観察することを忘れてしまっていた。

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フィールドワーク展Ⅸ:おでん