猫的余白

安藤 あかね・堤 飛鳥・太田 風美・佐藤 しずく
[ドミニカの大地]

余白=カフェという仮定を立てる

私たちは各々が「余白」の具体例を上げることから始めた。コース料理の一品一品が運ばれてくる間の余白や、突然予定がキャンセルされたことによる余白などが上げられた。それらを見ていくと、余白は、時間的・空間的・精神的の三つの要素があるのではないかという発見をした。その中で、「カフェ」という場所や「お茶をする」という言葉が浮かび上がった。私たちはカフェという場所には余白があるのではないか、余白が前提となって成り立つ場ではなのではないかという仮定を立てた。時間的にも、空間的にも、さらには精神的にも余白を感じられる場所がカフェであるとし、実際にカフェに足を運び、余白を観察することにした。

カフェ・フィールドワーク

まず初めてのフィールドには、カフェが多い町である東横線・自由が丘付近を選んだ。目星をつけていたものの、その日は街自体が混雑しており、目的のお店に入ることができなかった。途方に暮れている中、「周辺のカフェ」と検索して上から順番に電話をかけて行ったこところ、ある一つの喫茶店が快諾してくれた。偶然お邪魔することになったそのお店には、今までことごとく断られてきたことが嘘だったかのように、誰もいなかった。昼間なのに薄暗く、とても雰囲気のあるお店だった。マスターは私たちに興味を持ったようで、昔に書いた文章を見せてくれた。居心地があまりにも良かったので、この偶然の出会いのように、余白は偶然起こるものなのではないだろうか、と考えた。
(つづく)

よはくねこ(2019)

つづきはブックレット『余白の理由』で。ブックレットは、2020年2月7日(金)〜9日(日)「フィールドワーク展XVI」(恵比寿・弘重ギャラリー)にて配布予定です。PDF版はこちら → https://vanotica.net/yohaku/yohaku.pdf

 
 
 

猫的余白

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