『XXの社会学』を考える

Sociological Books of Every Damned Things

 

みちばたスケッチの社会学

牧野 渚
 
生活記録として、ことばでの記録に加えてスケッチを描くことは思考の整理につながることがあり、ふるまい方に影響します。また、このようなパーソナルな生活記録をコミュニティの中で行うことを通して、日常的に目を向けているものごとや表現をする上での情報の選び方を知ることができ、理解が深まります。さらに、それらを社会に対して放ったとき、言語表現より汎用性が高いです。これは、ジェイソン・ポランがニューヨークの街中で描いていたスケッチを集めたものが、横浜にいる私の手元にあることが表しています。一方で、与えられている権利の不均衡によるアクセスの違い、社会的役割を果たそうとするがゆえに個人に向けられる内省的な時間の無さなどの構造的な問題が見えてきます。