夜ごはんを食べ終えて
だんだん眠くなる時刻

そろそろお風呂に入ろうと
ちらちら時計をみる時刻

読みかけの本をめくったり
夜更かしをして映画を観たり

ひと仕事終えたようでいて
まだ続いていく20:00に
みんなでおやつを食べながら
もう少しだけおしゃべりしよう

慶應義塾大学 加藤文俊研究室
フィールドワーク展 XX
20:00

2024年2月9日(金)〜11日(日)
11:00〜19:00[最終日は17:00まで]
 

 

夜ごはんを食べ終えて
だんだん眠くなる時刻

そろそろお風呂に入ろうと
ちらちら時計をみる時刻

読みかけの本をめくったり
夜更かしをして映画を観たり

ひと仕事終えたようでいて
まだ続いていく20:00に
みんなでおやつを食べながら
もう少しだけおしゃべりしよう


更新情報|Updates
  • 2024/1/23 - 「プロジェクト紹介」の一部、「ごあいさつ」を追記しました。
  • 2024/1/10 - 最終日は「17:00まで」に変更しました(これまで、「最終日は15:00まで」とご案内してきました)。
  • 2024/1/9 - 予約(Peatix)を開始しました。 → https://fw1020-hachiji.peatix.com/view
  • 2024/1/8 - ウェブサイトをリニューアルしました。
  • 2023/11/25 - ウェブサイトを公開しました。

ごあいさつ|Message

「20:00(はちじ)」によせて

 
加藤文俊
 

フィールドワークの成果を、キャンパスや研究室に閉じ込めておくのはもったいない。というより、まちで学んだことは、まちに還さなければならない。そう思って、2005年2月に銀座のちいさなギャラリーで「フィールドワーク展」を開いたのがはじまりでした。回を重ねて、ようやく20回目。当時の4年生たちは、当時のぼくと同じくらいの歳になりました。もちろん、続けばいいと願っていましたが、実際にここまでくり返すことができるとは、じぶんでもあまり想像していませんでした。まずは、素直によろこんでいます。
 
毎年、学生たちと一緒に展覧会のタイトルを決めます。今回は記念すべき20回目なので、これまでの展示タイトルを眺めながら考えていたところ、ふとしたことから「20時(はちじ)」が思い浮かびました。
お皿にのったパンケーキは、「はちじ」を指す時計のイメージからきています。これが、じつは意味深なのです。「パンケーキは、まだ3分の1ほど残っている」のか(…まだまだのんびり味わおう)。それとも「パンケーキは、もう残りわずか」なのか(…もうほとんど食べてしまった)。いずれにせよ、20時を意識することで、あらためて、これまで・これからの展覧会について考えることができました。展示では、今年度の活動報告(修士研究、卒業プロジェクト、グループワークなど)にくわえて、20年間をふり返る「総覧(カタログ)」のような展示も準備しています。
 
20時ごろというのは、ほどよく疲れていて、穏やかに、少しのんびりと語ることのできる「ちょうどいい」時刻のような気がしています。はじめてのかたも、ひさしぶりのかたも、そして「常連」のかたも。会場でみなさんに会えるのを楽しみにしています。ぜひ、おはこびください。(2024年1月)


展示紹介|Contents

 

はこべるよろこび

コミュニケーションが、私たちの日常をつくります。ほんのひとときでも、他愛のない話であっても、人と語らう時間が大切なことはいうまでもありません。オンラインの平板なやりとりではなく、対面で向き合う。一緒にまちを歩き、自然に触れ、あらたに人と出会う体験こそが、コミュニケーションを息づかせます。
キャンパスでもまちなかでも、時間や空間を調整しながら、居心地のいい場所をつくる。私たちは、そのための方法や態度を実践的に考えています。2023年度秋学期は、5つのグループに分かれて「はこべるよろこび」について、おかもちを携えながらフィールドワークをすすめることにしました。
 

 

 

青い刺繍を詠む

河井 彩花
心身の変化の渦中で、自己の存在意義や他者との関係性に思い悩んだあの春、わたしは大人から「思春期の子」とまなざされることが腹立たしかった。それでも、あの日々の余波は確実に今日の生活の背後で揺れていて、ふとした瞬間に顔を出すーー。
これは、思春期を愛するために始めたプロジェクトです。注目したのは、作った短歌を人に見せる時に感じる「うっ」という居心地の悪さ。身体的な感覚を手がかりに、「思春期」との向き合い方を考えた1年間の軌跡を展示します。

 

 

私と祖父のモノ語り

木根 景人
私はこの1年間、北海道根室に住む祖父をテーマに卒業プロジェクトを行いました。私の祖父はどんな使わなくなったモノでも大切にとっておくため、家の中が大量のモノで溢れています。モノ一つひとつにそれぞれ思い出があり、それらを簡単に手放すことが祖父にはできません。私が今回展示するのは、祖父のドキュメンタリーです。今まで年に1回ほどしか会ってなかった祖父のもとに、この1年間通いつづけた私にしか作れない「祖父のモノ語り」をご覧ください。
 

 

いくつもの私とあなた

坂根 瑛梨子
相手や状況によってふるまいを使い分けてしまうことに、これまでずっと後ろめたさを感じてきました。そこで、同級生の友人と、先輩・後輩役を演じる実験を通して、役割を演じること、ふるまいを使い分けることに向き合いました。役割を演じながら過ごすことで、思いがけない出来事や会話が生まれます。ふるまいの使い分けがむしろ面白く思えるような、演じる実験の思わぬ可能性に気がつきました。展示では、そんな体験をみなさんにも共有したいです。
 


会いたい人に会いにいく

野上 桃子
心の中に、いつかまた会えたらなと思っている人たちがいます。会えなくなった理由はさまざま。なんとなく疎遠になってしまった人、気まずい関係性になってしまった人、私の方から会う努力をしなかった人。そんな人たちに会いにいきたい、再び関係性を構築したいという思いで、今プロジェクトと向き合っています。
まだまだ形になっていませんが、このプロジェクトの行く末を見守ってください。
 

 

わたしに還る「新・私の100個の物語」

磯野 恵美
わたしは、華やかな場所に憧れて音楽家になった。しかし、社会に求められるほど、まるでわたしは、あやつり人形のようだった。そして、クラシックの音楽家と名乗ることで、自らを伝統の中に閉じ込めることに耐えられなくなり、涙が止まらなくなった。
このプロジェクトでは、「私の100個の物語」の執筆をきっかけに、伝統と自由の間で揺れるわたしをふりかえり、クラシック音楽家の音楽家像の呪縛を解き放ちます。音楽を「モノ」ではなく、「コト」としてとらえなおし、わたしが、心からの音楽に出合い直すための物語を展示します。
 

 

 

フィールドワーク展の20年

(準備中)


卒業生に会いにいく

記念すべき20回目の展覧会を開くにあたって、卒業生たちに会いにいくことにしました。初期のころに展示にかかわった卒業生は、当時の加藤の年齢に近づいています。卒業生と食事をする機会をつくり、日々の活動や展示の思い出などについて語りました。
日程調整の都合で、すべての代のみなさんと会うことができないかもしれませんが、「会いにいく」プロジェクトは続けます。
 

 

『モビリティーズ』を読みなおす

ジョン・アーリの『モビリティーズ』は、私たちの「教科書」として位置づけています。コミュニケーションや場づくりへの関心は、人びとの移動について考えることと密接にかかわっているからです。誰かと「共にいる」ためには、時間と空間を調整し、旅をすることが求められます。アーリの「移動の社会学」は、さまざまなプロジェクトを構想する礎になるはずです。
2023年度秋学期は、一人ひとりが各章を図解しながら読みすすめました。じぶん自身の、そして著者の、思考プロセスを可視化し、お互いに読み合うかたちの「輪読」です。
 

 

ポスターのポスター

加藤文俊研究室では、全国を巡りながら「キャンプ」と呼ぶワークショップ型のフィールドワークをすすめてきました。まちに暮らす人びとの想いや生きざまに触れ、調査の成果物としてポスターをつくって還すという過程で、日常生活の豊かさ、複雑さと向き合うことになります。ポスターというメディアは、シンプルながらも、じぶんたちの姿をあらためて見つめなおすきっかけになり、私たちのコミュニケーションを促します。
今回は、15年ほど続けてきたポスターづくりのワークショップの成果をまとめてふり返ります。

 

 

ジブン(ジ)テン

2009年に卒業したフジイハルカの卒業プロジェクトとして始まり、これまで何人もの加藤研の仲間に代々受け継がれてきた『ジブン(ジ)テン』。それが今回、岩﨑日向子の手に渡りました。『ジブン(ジ)テン』は、特定の個人にまつわることがらを集め、解説付きでまとめたものです。具体的には、自分自身が幼少期〜中学、高校時代にかけて影響の受けたものを11カテゴリーに分類し、それぞれに関連する記憶や体験を300〜400字程度のショートエッセイとして綴っています。完成した項目を50音順に並べることで、時系列に束縛されない個人史の制作を目指しました。
 


会場|Access

ギャラリー LE DÉCO

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-16-3 髙桑ビル 3F・4F(渋谷駅から徒歩3分)
https://ledeco.net/


ご予約|Reservation

事前予約のお願い
「フィールドワーク展 XX 20:00」は、事前予約をお願いしています。* 状況により、入館方法や内容を変更する場合があります。あらかじめご了承ください。
 

予約サイト(Peatix)