「フィールドワーク展」によせて
加藤文俊

今回の展示のテーマが「栞(しおり)」に決まったと聞いて、「いいね!」と思った。
もう8年目になるので、これまでの活動の流れをふり返りながら成果をまとめることができる。
そういうタイミングなのだろう。
ふとした思いつきで「フィールドワーク展」をスタートさせたが、
研究室の年度をしめくくるイベントとして定着してきた。
今年は、4年生の「卒業プロジェクト」の成果発表をはじめ、
「おみやげ・グッズをつくる」フィールドワークや、
昨夏スタートした三宅島での活動報告が並ぶ。

いつも言うことだが、展示の〈あと〉が大切だ。
展示までは、とにかく準備で大忙しなので、オープンしてドタバタと数日が過ぎ、
打ち上げをするとすべてが終わった気分になる。
もちろん、最後は大いに盛り上がりたい。無事に片づけを済ませたら、美酒に酔おう。
だが、もう一度「栞」について考えてみてほしい。
そもそも「栞」は、ふたたび戻ってくるべき場所への道しるべなのだ。
だからこそ、終わった〈あと〉にも、多くの人にとって意味のある展示になることを願っている。

平成24年 初春