常連になる ::: 灘屋

灘屋

大川朝子・河村裕次郎・桑原維子・和田勇人 

灘屋という店

02.gif灘屋の店内:神奈川県横浜市南区高根町1-4 * クリックすると拡大表示されます。阪東橋駅近くにある横浜橋商店街は様々な店が並び、いつも買い物客で賑わっている。そんな商店街のなかに、今回訪れた店「和彩工房 つけものの灘屋」がある。もともと漬物屋であったこの店は、現在は漬物屋と居酒屋が併設されており、店の外には種類豊富な漬物が並ぶ。店内にはカウンターとイス席を合わせても二十人弱しか入れないこじんまりとした店で、その分店員さんとの距離も近い。壁には手書きのメニューが所狭しと貼られている。看板メニューは柔らかく煮こまれ甘辛い味付けの牛すじ。これは本当に絶品だ。

店内には必ずと言って良いほどお客さんがいて店員さんとの会話に花を咲かせている。地元に住む人が多いようで常連同士も仲が良い。棚の上にはキープボトルが並び、トイレの壁にはたくさんの名刺が貼られておりそんなところからも、常連の集まる店であるということが見て取れる。また、会話や店全体に流れる雰囲気からもそう感じる要素はいくつもあった。こんなに沢山の常連が集まるのはなぜなのか。

美味しい料理と距離が近く自然に会話の生まれる店の広さ。親しみやすいお客さんも理由のひとつだろう。ただ灘屋の場合、一番の理由は店員さんにあると思う。これは私たちがこの店に通おうと決めた大きなきっかけでもあった。その中でも特に話をしたのがみっちゃんという男性の店員さん。初めて行ったときすぐに話しかけてくれたのもみっちゃんだった。偶然にも旅好きという共通点があったことからすぐに打ち解けることができた。以前に話した内容を事細かに覚えていてくれるので、回数を重ねるほど会話も盛り上がっていった。他の店員さんも含めて、灘屋では会話の中心にいつも店員さんがいる。周囲を巻き込むように会話を広げてくれるため、全く知らない者同士でも会話が生まれ新たな関係性が始まる。このような店員さんの魅力に他の常連も惹きつけられるように灘屋に通うようになったのではないだろうか。

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