キャンプを続ける
こうしたプロジェクトの仕組みを考えることで、地域にとっての大学の役割を再考することができます。そもそも、「キャンパス」の語源は「キャンプ」なのです。90分ひとコマの授業で換算すれば、1泊2日の「キャンプ」は、少なくとも10コマ分になります。窮屈な「時間割」から脱出して学び、その「場」で生まれたアイデアは、地域に還すのです。
自然発生的に、そしていろいろなところでこのようなプロジェクトが動き出せば、地域との関わりについて、あたらしい理解を創造できるでしょう。すでに、さまざまな「オフ会」はいたるところでおこなわれているし、「フラッシュ・モブ」という興味ぶかい現象も観察されています。アドホックな集まりが、これからの社会調査やコミュニティづくりのための原動力になるはずです。モバイルリサーチは、たんにモバイル機器を使った社会調査ではなく、調査者が旅をしながら、行く先々で創発的な「場」を立ち上げる試みです。