井戸端会議

秋庭大志郎・笹野利輝・土屋麻理・ 枡野友香

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「団地の暮らし」という言葉を聞いて、あなたは一体どのような情景を思い浮かべるだろうか。そのキーワードからついつい「家の中」の光景を想像しがちではないだろうか。しかし、僕たちが遭遇した団地の暮らしは、棟の中に集約された「戸」を飛び越えた人々の交流の姿だった。「団地」という地域社会における人々の暮らしの場は、何も戸の内側に限られたものではない。人々の「暮らし」は、人が集い時間や想いを共にすることで、時に戸を飛び越えどこにだって広がっていくものだということをこの井戸端会議から学ぶことが出来た。

「暮らし」という言葉を聞くと、あなたはいささか私的で閉ざされた印象を抱くかもしれない。しかし、この井戸端会議は、おばあちゃん達がそれぞれの暮らしの一端を皆と共にする開かれた時間であり空間であった。他者と時を共にし、その出会いや関わり合いを慈しみ続ける、するといつしか「私」たち個人の暮らしは人と「共」に育むものへと、その在り方を変えていくのかもしれない。

僕たちは井戸端会議との出会いを通して、おばあちゃん達の「暮らし」とその貴さに触れることが出来た。団地に響く賑やかな笑い声、そこには人々の温もり溢れる交流の場が今も息づいている。


「井戸端会議」を聴く

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慶應義塾大学 加藤文俊研究室(2014年度秋学期)