歩いて、見て、まちと出会う

月ヶ瀬 優・堀合 詩織・馬飼野 朱李

町田フィールドワークのいろは

あしゆの町田フィールドワークは雨の日にスタートを切った。初回は四年生二人に同行していただき、フィールドワークのいろはを学んだ。お二人から教わったのは「ただ歩く」ことである。極限までシンプルだが最初はそれしかない。町田駅周辺を回り、少しの違和感も見逃さずに気になったところは写真に撮り記録した。対象を絞ろうとする焦る心を排除しながら材料を集めていくと、町田のささやかな抵抗に対する印象が作られていった。町田全体から感じたのはカオスである。カオスの中に町田の抵抗が紛れていて、その裏には違反がある。違反の存在を想像すると一抹の緊張を感じることもあった。逆に抵抗の中にあるちょっとしたユーモアを見つけると心が緩んだ。純粋にフィールドワークを面白がった初回の発表タイトルは「雨のまちだって面白い」。次回からも対象を絞ることはまだ考えず、引き続き歩くことにした。
 

バス停

2回目の発表タイトルは「人々の心の余裕」である。最初はやはりキャッチや路上ライブなど治安の悪い方に目がいった。前に感じた通り抵抗と緊張は共存しているのか。もう帰ろうとして、最後にもう一押しと見に行ったバス停に興味が湧いた。場所的にも時間的にも余裕があるからか、電車よりもしっかりしている列で、町田のカオスに少し疲れを感じていた私たちにとって安らぎを与えてくれた。ささやかな抵抗に常にまとわりついてきていた緊張が、ほとんど感じない空間に惹きつけられた。最初上の通路から地上のバス停を眺めていたことも、観察対象のバス停と自分たちが切り離されている感じがして面白かった。私たちは観察対象をバス停に決めた。
 

町田バスセンター

「とりあえず歩く」その精神は忘れない。とりあえず全てのバス停を回ることにした。すると、バス停によってバス停に書かれている指示情報や、それに伴う列の性質が全然違うことがわかった。次に「バス停性格診断」と称してバス停を分類し、分析した。町田バスセンターに集まるバス停は利用者が独自にルールを作って秩序が保たれている「現場柔軟型」に分類された。私たちはそこに他とは違う特別感とささやかな抵抗の香りを感じた。その正体が何なのかより詳しく探るため、バスセンターをフィールドにささやかな抵抗を追うことにした。

 

つづきを読む『ささやかな抵抗』冊子版(PDF)→ sasayaka.pdf

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