the Fun Theory ::: おとしもの

おとしもの


私たちは、童話「ヘンゼルとグレーテル」を例に、道にモノが連続して落ちていた場合、人はそれを自然と辿ってしまうのではないかと考えた。また、さらにひと工夫を施すことで、すなわち“FUN”を加えることで、人の行動変化が誘発されるであろうと予想し、実験的にフィールドワークを始めた。これは、人が、「落ちているモノを拾いながらそれを辿っているうちに、気が付いたら当初の道を反れて別の道(モノの落ちていた道)を歩いていく。」という行動変化を期待してのものである。

フィールドワークを通してわかったことがある。人は、「おとしもの」それ自体に興味を持つ以上に、落ちているモノの先に何があるのかに興味を惹かれる、ということだ。つまり、人は、落ちているモノ単体に関心を持つのではなく、複数の単体がひとつひとつ、先へ先へとつながっていることから、それらの続いている先に何かがあることを予想し、関心を引き寄せられる。そして、自然と『おとしもの』の落ちている方向へと歩く道を変えてしまう、ということだ。このように、『おとしもの』をFUNのひとつのキッカケに設定した結果、人の好奇心を刺激しながら楽しく道を誘導することができるのだ。

“FUN”は私達の日常で起こり、“FUN”によって人の行動が変わる。そのキッカケは、日常の何気ないふるまいに隠れているのだ。今回私たちは、「おとしもの」を、まちに仕掛けてみた。

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