工夫と修繕 ::: 階段裏のしつらえ

階段裏のしつらえ

龍山千里・深澤匠・吉田あんな・和田勇人 

まちのなかの工夫と修繕

02.jpg【階段裏のしつらえ】東京都中央区銀座7丁目 ※クリックすると拡大表示されます。銀座というまち。多くの人がイメージするのは華やかさや高級感、洗練されたお店やビルが立ち並ぶ景色。今回のフィールドが伝えられた当初、私たちの印象もそれらと同じで、工夫や修繕といったものとは結びつかないイメージを抱きながら、銀座へと足を踏み入れた。

実際にまちを歩くとその印象はすぐに変化した。私たちが想像していた景色がそのまま広がる大通りと、そこから一本内側へ入っただけなのにお店が一気に密集し、高級感よりも生活感を感じさせる裏通り、それらが共存したまちであることがわかった。今回のフィールドは範囲がかなり広く、そのなかの景色もさまざまな表情をもっていた。きれいに整理された碁盤の目のような通りの街並みに初めは戸惑いを感じ、自分のいる場所が地図上のどこなのかを把握するのには少し時間がかかった。しかし一方で、きれいに整っているぶん区分けが簡単にでき、区画ごとに歩いて回りやすかった。

工夫と修繕という言葉のもつ意味は幅広い。歩き始めた当初、その見分け方がわからないまま、銀座のまちを歩いていた。そのうえメンバーの予定が噛み合わず、仕方なくそれぞれの見方で、おもいおもいに採集した。今回のフィールドワークで集めた工夫と修繕は、特定の位置で印象に残った『モノ・コト』であることから「物件」と呼ぶことにしていたが、集めたものを見てみると、どれも物件とは言い難くバラバラで、なぜそれを採集したのかも各々がよくわからない状態になってしまった。工夫と修繕に対する判断の仕方がそれぞれ違い、採集したものの共有の方法も、写真を見せ合うだけでは何も伝わっていなかった。これから学んだことを踏まえた上で、全員が揃って銀座へ赴くよう心掛けた。

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フィールドワーク展Ⅸ:おでん