OKURUMI cart

OKURUMIES

小梶 直・最上 紗也子・吉澤 茉里奈

 


わたしたち三人が手にしたモノは、鮮やかな赤い車体が特徴的な大きなカートだった。およそ縦100センチ、横50センチとかなり大きいが、小回りがきき、操縦しやすい。わたしたちは、注目を集める見た目とモビリティを活かして、カートを連れて色々なところへ出かけたいと考えた。

さて、カートを連れて何をしようか。考えているうちに、わたしたち三人が共通してある想いを抱いていることがわかった。それは、「カートを連れて出かけた先で、色々な人と出会いたい。そして、偶然出会った人のことを知りたい。」という想いだった。
 
初対面の相手のことを知るには、何か最初のコミュニケーションのきっかけとなるものが必要だ。三人できっかけについて考える中、たまたまメンバーの一人であるモガミが持っていたポーチが可愛いという話題になった。そのポーチは、モガミが受験生だった頃、入試を終えた帰り道に渋谷でたまたま見つけて、一目惚れして買ったものだった。その後会話が弾み、ポーチのことだけではなく、受験期の出来事や、入試を終えた当時の気持ちなど、モガミ自身のエピソードも語られ、残りのメンバーはモガミの新たな一面を知ることができた。
このように、モノが持ち主の手に渡るまでには、様々なストーリーがある。こうしたモノの背景にあるストーリーを覗くことで、その人のことを知ることができるのではないかと考えた。そうしてわたしたちは、出会った相手の持ち物をきっかけに、その人について知ることを目的とし、そのためのツールの役割をカートに託すことにした。
 
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