ぐるり調べ ::: 法政

法政

向き合い方

hosei_map.jpg法政ぐるり(2011)佐藤龍ノ介・神通絵里花・廣野𠮷隆・三島麻里江春の季節を跨る頃から私たちは歩き始めていた。まちを流れる神田川の小路を歩きながら景色を眺める。向こうに高くそびえ立つボアソナードタワー。圧倒的な存在感を誇るキャンパスだが、学生の声や雰囲気を感じることはできない。それだけではなく、学生が集いそうな店、そのような場所さえ感じることはできなかった。学生たちはどこで時間を過ごすのか。という疑問が湧いた。

このまちには複数の景色がある。都内の空気を持ち、周りをオフィスに囲まれた法政大学。対して、都内の雰囲気とは趣が異なる、少し和モダンで路地や横丁があり、料亭や喫茶店が立ち並ぶ神楽坂。大学裏の影に佇み歴史や偉大さを感じさせる靖国神社。各々の異空間が私たちを戸惑わせた。これらの境界線に没頭する時期もあった。私たちが思っていた「学生のまち」とはかけ離れていると思ったこともあった。

私たちは週に一回のペースでここを歩いた。同じ景色の中でも起こる日常の「ずれ」を意識しながら調査を進めていった。学生が普段歩く何気ない通学路。方向は同じでも通路は複数ある。また、このまちにある何かをマッピングする。この作業を意識することで、このまちに抱いていた固定観念が徐々に砕かれていく。ベンチ、神社、ファミレス。具体的なものをカウントしていく上でこのまちと人との関わり方が浮き彫りになる。そして、昼と夜を比べてまちを見てみる。時間の違いは、まちと人の付き合い方を大きく変えるのだ。あの時迷っていたことも、今思えば穏やかである。

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