阿曽沼陽登・城間さくら・土屋麻理


初めてみなとみらいのフィールドワークを行ったのは、四月のとある金曜日だった。私達にとって、みなとみらいはデートスポット、観光地として名高い、都会の響きを持ったまちだった。しかし実際に行ってみると、そのイメージは少し間違っていた。まちには確かに人通りはあったが、カップルや若者は少なく、代わりにスーツ姿のサラリーマンやOLが数多く目に入った。平日昼間のみなとみらいのまちなみは、デートスポットというよりオフィス街の光景だったのだ。

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その後、みなとみらいには数多くの企業が存在しており、それらの多くは高層ビルの中に居を構えていることを知った。平日にスーツ姿の会社員を数多く見かけた理由はそこにあったのだ。そこで何度目かのフィールドワークの時、私達は『みなとみらいの会社員のお昼ごはん事情』に注目してみることにした。というのも、こうした場所で働く人びとは、お昼時になると一斉にエレベーターで地上一階まで降り、ランチ営業をしている飲食店やコンビニに行って昼食を済ませる。その混雑さはテレビにも取り上げられるほどだと聞き、一体どれほどのものなのか観察をしたかったのである。

観察はランドマークタワーの一階にあるセブンイレブンを拠点に行った。昼十一時半を回った頃から、続々と会社員が集結し始め、五台のレジが稼働していても行列は解消されず、混雑は想像以上だった。多くの人は、数十秒で買う商品を決め、その三〜五倍の時間をレジに並んで待っていた。ふと気になって、コンビニでの観察の合間に徒歩三分と離れていないマクドナルドをのぞいてみた。コンビニとは対照的に、そこには利用客があまりいない。ふらりと昼食を買いに来た若いサラリーマンは入店とほとんど同時に注文を済ませ、ほぼ待つことなく商品を受け取り帰っていったのだ。(つづく)

◉フルバージョンは、冊子『いけずなまち』で。(PDF版は9月下旬に公開予定です。)

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