井上涼・小田島純・土屋麻理


私たちは一学期間、「どこでもスタンプ」の活動を行ってきた。日々増え続ける三百種類近くのスタンプを持ってまちに赴き、通りがかった人がポストカードに好きなだけスタンプを押して、持ち帰ることができるという活動である。おもちゃという印象が強いスタンプだが、私たちがテーマに選んだのには理由がある。

私たちが最初に集まった日、「老若男女誰もが集まる場」を作りたいという意見でまとまった。特に子どもが楽しめるものであれば、他の人まで巻き込めそう…パッと見ただけで「楽しそう」と分かるようなものだと人を集めやすそう…そういった三人の意見をまとめた案として、通りがかりの人と一緒にスタンプを作る、「移動スタンプ工房」を開こうとしたのである。

スタンプのおもしろさを知るため、品川駅にある「D-BROS」というお店に行ってみた。そこでは無地のノートや便箋が売られていて、購入者は三百五十種類ものスタンプから自由に押して、自分だけのオリジナルにしてから持ち帰ることができるというサービスが行われている。私たちはそこでブックカバーを購入した。スタンプを押し始めると、次に何を押すか、どう配置するかと考えるのが楽しくなって手が止まらなくなってしまう。多種多様なスタンプの中で私たちが気に入ったのが、おじさん柄のスタンプである。おしゃれで落ち着いた雰囲気のお店に似合わず、おかしくていくつも押していると、それを見ていた他の女性客が「面白いね」と笑いながら話しかけてくれたのだ。この時に私たちは、スタンプには「人を夢中にする力」と「コミュニケーションを生む力」があること、スタンプは作るよりも押すからこそ面白いということに気づいた。そうして、私たちの活動は始まったのである。

つづきは「フィールドワーク展XII:こたつとみかん」で!
◎オフィシャルサイト http://vanotica.net/fw1012/
◎Facebook https://www.facebook.com/fw1012/

doko1.jpg

doko3.jpg

doko5.jpg

doko6.jpg

doko2.jpg

doko7.jpg