「フィールドワーク展」のフィールドワーク ::: マフラー

マフラー

町中を見渡せば、老若男女問わず、様々な人々が防寒のために、あるいは一つのファッションとしてマフラーを身に付けている。時期が二月上旬であったために、展示会に来る人々の中で、マフラーを身に付けている人は、比較的に多い気がした。普段何となく人々の姿を彩る一つのアイテムとして、特に意識して見られることはないが、逆に私はそれが身に付けている人の根源的な「らしさ」を観察することができるのではないか、と考えた。そこで、展示会という特別な場でありながらも、来る人々の特徴を、マフラーという至って庶民的なものから探ろうという決断に至った。

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スケッチから、まずマフラーの外見的な特徴について考えてみると、性別間の違いがあることが分かる。女性が身に付けるマフラーは色・形・サイズどれを見てもバリエーションに富んでいる。しかし、男性が身に付けるマフラーはどれも単色系の色が多く、そしてシルエットも輪郭にフィットするシャープ系統が多い。また、マフラーの巻き方に置いても、男性はワンループというひとつ結びの巻き方がほとんどであるが、女性に関しては、ワンループをはじめ、首巻きや肩かけをしてマフラーを長くみせるものもある。

個人的(a~h)な特徴も考えられる。例えばaさんは黒いシャープなマフラーをきつく結んでいる。この人は、堅実で実直な方なのだろうというイメージを持たされる。展示品をうなずきながら観覧していた。また、f・gさんは、両者とも比較的に華美な色のマフラーを身に付けながら、それをゆるく身に付け、カジュアルな様相を呈している。彼女らは、展示者(四年生)から説明を受けていたが、和気藹々と、時折冗談を交えながら笑顔の耐えない様子であった。またcさんは、ストールをきつく結び付けており、展示会をフォーマルな場として認識したようなファッションであり、少し緊張した面持ちであった。

このように、一見すると、マフラーは身を装うファッションとしての役割だけのように感じるが、緻密に観察してみると、人の性格や心境を投影しているようにも思える。昔のマフラーは、戦場での目印や包帯の変わりとして使われていたそうだ。しかしながら、現代ではファッション感覚で自由に使用するようになった。今では、ファッションで人の個性を表現するような楽しみが、静かに首もとにも現れているようであった。

(小川健太)