「フィールドワーク展」のフィールドワーク ::: 自分だけの「場所」を持つひとの追跡調査

自分だけの「場所」を持つひとの追跡調査

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じゅじゅじゅ展の採集において、わたしは今年の卒業生計11人を対象とした追跡調査をおこなった。一人あたりの追跡時間は30分である。
展示会という空間において、自分の作品だけの「場所」を持っているひとびとは一体どんな動きをするのかを観察する。対象を卒業生とした理由は、上記に記したように自分だけの「場所」を持っているということ、それから、言葉のとおりこの展示会をもって彼らは卒業するからだ。「観察をする」という意識的な視点で彼らを見たいという欲があった。

会場内での動きと同時に話しているときの特徴も観察したかったので、追跡のはじまりは「自分の作品の説明をしている瞬間」という決まりを設け、説明をするときの位置どりや話すときのクセにも注目した。さらに、ひとりひとりに「自分の思う、立ちながら話すときのクセはなにか」という質問をして結果をまとめた。椅子のない「場所」もあったので、立ちながら、ということに限定をした。
二日間の追跡調査を終えて気づいたことは、展示会場にひとが多い時間帯は展示者の動きも多くなるということだ。あたりまえのことではあるが、ひとが多くなれば会場の空気もどこかせわしなくなる。それにつられて…なのか、展示者の動きは細かく速くなっていた。

動きを見ていて全員に共通して言えたことは、自分の「場所」にひとが近づくと、合わせて自分も近づくということだ。当然ながら、自分の作品の説明はだれよりも自分ができるし、自分の「場所」を持つということは責任も伴う。そのことを、11人の動きから見て取れた。そして説明がおわり、自分の場所からひとが離れていくと自分も一緒に少し離れる。場所を離れることで、説明をしていたひとと自分との空間に終わりをもたらすのである。

追跡をしていると、ひとりひとりの特徴も見えてくる。会場全体を歩き回るひとや自分の「場所」の近くにいるひと、自然と人の集まる場所へ足を進めるひと、一人に対する説明に時間をかけるひと、留まることをせずに歩き回るひと…このような追跡をすることによって気づいたこと、動線を書いてみて気づいたことも各々図にまとめた。
採集を終えて文章や図として見える形にまとめてみると、当然ながら同じ立場でもひとによって動き方や話し方は全然違っていた。「観察をする」という視点から卒業生をみることで、そのひとらしさや意外性などを垣間見ることができた。

(小竿まゆる)