休憩したい出展者
人でごった返すORF会場。研究への熱意からか、なんだか空気も篭ってきた。
SFCが誇る一大イベントとあり、たくさんの来場者が集まるこの場所は、体力をぐんぐんと吸い取ってしまう。
この広い会場内にはベンチらしきものや、休憩所は見当たらない。そのため来場者はいたるところで疲れた顔を見せている。女子高生が廊下にもたれていたり、スーツ姿の社会人が会場すぐ隣のコンビニの前で菓子パンを立ち食いしていたりしている。あまり行儀が良いとは言えないが、そうしたい気持ちもよく分かる。お疲れさまですという言葉をかけたくなってしまう。
この会場の裏に、出展者用の休憩室や喫煙所がある。学生はそこへ出入りして、各々自由な時間を過ごすことができる。しかし、その休憩所を利用する学生はあまり多くはない。その存在を知らない学生もいるようだ。恥ずかしいけれど、そのひとりである。
私は今回のORF期間中、休憩所の存在を知らないと思われる出展者の学生が、会場内及び会場周辺の施設で休憩をしようとする様子を採集した。
休憩したいときに、私が毎年ORFのたびに利用するのが、会場近くのカフェやパン屋のイートインスペースである。そこにはやはり、座って話をしている2人組がいた。
会場であるホールを出ると公共のベンチのようなものがあるが、そこは一般の人も含め、常に満席状態であった。そこに座っていた出展者タグをつけた2人組は、パソコンを開き、資料のようなものを作っていた。
ORFの運営陣は会場内に配置されていて、そのうちの一部の人は椅子に座って会場内を見渡していた。ORFも終盤に差し掛かると、運営陣にも疲れの色が見え始める。椅子に座ったひとりの学生は、下を向いて居眠りをしていた。
2つある会場のうち、B会場は比較的空いていたので、通路が広く感じだ。その通路で足を伸ばして座り込んでいる3人の学生。スマホを操作しながら話している様子だ。それをたくさんの学生や大人が見ているが、誰も声はかけない。本人たちはその視線にすら気づいていないのだろうか。異様な光景であった。
周辺施設の席数には限りがある。とはいえ私達の体力にも限界がある。休憩所を上手に使うことが、よりよいORFへのヒントになるのかもしれない。
