「見せる」「魅せる」とは
ORFの展示物はパネルや配布物の「見せ方」や「魅せ方」に工夫が凝らされていた。だが、その一方で荷物の置き方は工夫されない。というよりも、意識が置かれていなかった。荷物置き場は別に用意されていたが、会場全体を巡ってみると、多くの出展者がブースに各自の荷物を置いていることがわかった。
壁際にあるブースの出展者は、イーゼルの後ろに荷物を収納していた。荷物への配慮がなされているブースでは、隠すための布が用意されており、その下に隠されていたりもした。布製のランドリーバケツをコートなどの荷物入れとして使用しているところもあった。事前に荷物の置き方まで思いを巡らせての準備なのだろう。
出展者の荷物は主に展示パネル用のイーゼルを中心に置かれていたのだが、その使い方が非常に興味深かった。
イーゼルの間の三角部分は見えていないようで、意外と見えている。パネルを見ようとすると必ずと言っていいほど、視界に入る。
ある研究会のイーゼルの手前部分には、充電用タップが置かれており、そこからは充電コードがたくさん出ていた。その反対側の細い部分には、ヘッドホンが引っ掛けられており、出展者が使いやすいように利用していた。別の意味での工夫がなされていたように思う。それは、自分たちがその展示空間での居心地の良さを作り出すための工夫である。
ペットボトルやお菓子のゴミ、コンビニのビニール袋が三角部分に置かれているブースも多かった。厚手のかさばるコートが何枚も丸め込まれており、少々乱雑な印象を受けるものもあった。三角部分に入れられているのはまだいいが、ぐちゃぐちゃに地面に置かれているブースも散見された。
2日目は雨が降っていたため、傘の置き方にも違いが見られた。横に倒しておく、椅子に立てかけるといったことはもちろん、立て看板のくぼみにさしている人や、引っ掛けている人もいた。
たしかに、展示物のみせかたの工夫は大切だが、荷物の置き方にも各研究会の展示への印象は左右される。与えられたブースを一つの展示空間と考えた時、私たちがするべきふるまいは自ずと見えてくるのではないだろうか。
私たちの無意識的なふるまいを認識し、振り返ることはフィールドワーク展への教訓となるだろう。
