加藤文俊研究室

名刺と表現

今回ORFに所属する研究室が出展をするにあたって私は初めて研究室の名刺を作成することになった。そのため、今年のORFでは展示もさることながら出展者が首からさげるネームタグや名刺に目が止まるようになった。
会場内において、私たちはまず「出展者」か「ビジター」のタグをつけているのかを見て出展する側の人なのか、ORFを見にきた人なのかの判断をする。その点で考えるとネームタグそのものの存在も何者かを発信する大きな意味では名刺と言えるだろう。

そして出展者がかけるネームタグにはそれぞれがその研究室や個人を表すものが入っており、各ブースを回る中でも研究室ごとに名刺の違いに気づかされる。一言で名刺と言っても形式は名刺用紙にプリントをしているものから、手書きのもの、学生証、アクリルで作ったモチーフまで多種多様であり、また記載されている情報にも名前、ふりがなのみのものから研究室名、専門分野、メールアドレス、電話番号、住所、twitter、facebookアカウント名までとかなり差があることが分かった。ここから名刺を通してそれぞれの人のORFという場に対しての接し方や姿勢が伺える。メールアドレスといった連絡先を詳細に記載する人々は来場者に自身の研究を発信し新たな企業や共同研究のきっかけとしてあの場を活用していた。そのため、出展そのものも全ての人に開かれるというより、知識や興味を持った人に対して説明をしていくといった傾向があった。一方で名前と研究室名のみの名刺からは自分たちのやっていることを知らない人に紹介する説明員的な関わり方が強く、ブース内でそこの研究室のメンバーであることを証明するための目印のような役割を果たしている。また、モチーフのみの人々は完全に展示の場として捉えており展示する作品を一番重要視しているため出展者はその場にいるもののできる限り自分たちの肩書きなどは明かさないような姿勢を感じられた。
ORFの持つ様々な顔を知れると同時に、そのように考えると今回作った名刺は二番目の研究室の一員であることを示すものであり、私にとってのORFは研究会での活動を知らない人に向けて言語化する場所であるという意識が自然と名刺という形として表現されていたことが分かる。

(最上紗也子)