展示をまたいだ会話
私はORFの展示を観察するにあたって、観察者としての立場というよりも、単純にORFの展示を通じて自分の学びを広げるために一来客者の立場として展示を見てまわっていた。展示をおおまかでも全て見てまわろうと考えていたため、1番から順に研究会のブースを回り始めた。数も多い研究会の展示を一通りみるには一日では全く足りず、2日間で半分に分けて展示を見ることにした。一つの展示を見たら、また次の研究会へ、また次の研究会へと出展者のお話にも耳を傾けつつ、展示内容も見つつというように歩いていく。展示を見てまわった際の率直な感想としては、研究会の数の膨大さから、いかにSFCの学問領域が多様であるかを思い知らされたということである。自分が通う大学への理解がどれだけ及んでいないかを実感させられた。
また、自分自身がそのようにORFという企画に触発されたのも、今回のORFの展示の特徴が自分に作用したからなのかもしれない。前回のORFと大きく違いを感じさせられたのは、展示スペースが広々とした設計になっていたことだ。以前の展示は、家のように個々の展示が仕切られているように見え、また展示を見る際にも部屋に入るという感覚であった。今回の展示方法はよりシンプルさを感じ、展示を見ていく中でも、物の情報もあった上で人から聞く情報の存在も大きく、それらを含めて一つ一つの研究会を捉えていくという行為が生まれているように思った。また、空間を広く使った展示方法の特徴が人の行動にも表れているように感じられる場面もあった。それは、ある研究会のブースの座るスペースで座りながらお話を聞いていた際のことである。お話を聞いていたら、通りかかった友達がまず隣にやってきて一緒にお話を聞くこととなった。2人でそのお話を聞いていたら、私の居座っていた研究会を背にして隣にあった研究会に、その友達の知り合いがいて、別展示にいるのにもかかわらず、展示の境界線を超えて自然にコミュニケーションをとるということがあった。その後、背にして隣であった研究会の展示コーナーから、私たちがいるこちらの展示物の方にもやってきて、こちら側の展示もみていたりもした。その一連の中で感じたのは、それぞれの研究会の仕切り方がはっきりとしていないがために、展示場所をまたいで人が行き来しやすくなり、展示を見る際に抱く展示コーナーの入りずらさはある程度やわらくなっていたように感じた。
